SECTION #01
プロジェクト背景
専門商社の未来を照らす新たな技術への投資

Hieda
本プロジェクトにおけるクライアントである伯東様は、東証プライムに上場するエレクトロニクスを主とした専門商社です。同社はメーカーではないため、自ら製品を作ることができないことを長年の課題としていました。技術が発展し、時代が進歩していく中で、現状維持ではいけない。自ら新しい製品を開発することで、新たな価値創造をしていかなければならない。そんな思いから、CVCを行うことになったのです。しかし一口にCVCと言っても、国内のスタートアップ企業の数はおよそ2.5万社。自社内だけで協業企業を探すことは難しく、その支援としてソーシング・ブラザーズに白羽の矢が立ちました。

Tanatsugu
そうしてさまざまな企業を探す中で出会ったのが、株式会社エネコートテクノロジーズです。同社は、2018 年に設立された京都大学発のスタートアップで、ペロブスカイト太陽電池技術の開発に取り組んでいます。このペロブスカイト太陽電池は、従来の太陽電池に比べ低照度下での発電を可能とし、さらに薄く・軽く・柔らかいという特徴を持っています。加えて、ヨウ素を原材料としているため、国内資源だけで生産できる可能性もあるなど、次世代の再生可能エネルギーとして大きく期待されており、伯東様のニーズともマッチする、まさしく理想のスタートアップでした。

Hieda
エネコート様にとっても、ペロブスカイト太陽電池の実用化を加速させることは喫緊の課題であり、ここで両社の希望が見事にマッチ。こうして、総額55億円にもおよぶ資本業務提携が実現されたのです。
SECTION #02
我々の役割
はじめてのCVCへの不安を払しょくし、両社のメリットを最大化する提案

Hieda
CVC事業部のマネージャーとして、主にフロントに立つ部分の役割を担いました。伯東様にとって初めてのCVCだったこともあり、エネコート様との協業を決断してもらうための準備には、かなり時間を掛けましたね。ペロブスカイト太陽電池を扱うことで、伯東様自身にどういったメリットがあるのか、色々資料を用意してプレゼンしたのを覚えています。そして、そうした資料作成において大いに活躍してくれたのが棚次です。

Tanatsugu
太陽電池の市場に関しては、中国が非常に進んでいましたから、そこでの事例をくまなくチェックしました。その上で、日本と海外とではどのような違いが発生し得るのか、リサーチも入念に行いましたね。CVCは、やれば必ずしも成功するとは限りません。もしもスタートアップが倒産してしまったらどうなるのか、協業によって期待する成果が得られなかったらどうするのかといった、リスクに関する部分もしっかりと見ていくことが大切です。

Hieda
また協業そのものには前向きであったとしても、必ずしも両社の要望が一致するとも限りません。今回のプロジェクトでは、伯東様側はペロブスカイト太陽電池が無事製品化した際に独占契約がしたいという要望がありましたが、エネコート様側は独占契約をしたくないという要望を持っていました。そこで私たちが間に入り、伯東様の優先度を高めてもらうというところで合意を得るようにしたんです。

Tanatsugu
お金の流れだけを見れば、私たちのクライアントは伯東様ということになります。だからこそ、伯東様有利にしてあげたくなるものですが、CVCにおいてはスタートアップが成長してこそクライアントの成功があります。スタートアップの成長を促進しつつも、クライアントに損をさせるようなことがない、ちょうど良いバランスを探していく必要があるんです。
SECTION #03
やりがい
積み上げた知識と努力の先でイノベーションが起こる

Hieda
本当の意味で企業経営に寄与できるのが、この仕事の最大の魅力です。私たちはいわゆるコンサルのように、外部からアドバイスをするだけで終わりません。私たち自身もその会社の一員になったかのような距離感で、丁寧にサポートをしていくんです。だからこそ、クライアントからの信頼も厚いものになりますし、無事にプロジェクトが完遂した際は、まるで自分の会社の未来が明るくなったかのように、一緒になって喜ぶことができるんです。

Tanatsugu
担当する企業によって領域や事業もさまざまですから、その都度新しい知識や技術に出会えるのも、この仕事ならではの楽しみと言えますね。スタートアップの中には、世界初の技術を開発しているところも少なくなく、そうした企業との出会いはとても刺激的です。もちろん、常に新しい情報をキャッチアップし、学んでいく大変さはありますが、同時に自分自身の成長も感じられるため、苦にはなりません。

Hieda
CVCの現場は、イノベーションを起こす舞台です。私たちが学び、成長し、企業を支援していくことが、大げさではなく世界の変化に繋がっていると思うと、仕事のやりがいもひとしおですね。
SECTION #04
この事業について
事業会社とスタートアップの両方を支援し、次世代への扉を開く

Hieda
CVC事業部の役割は、投資によってさらなる成長を実現したい事業会社とスタートアップ企業をマッチングさせることです。そうして企業の未来を明るくし、イノベーションを起こすきっかけを生み出すことこそが、最大の使命と言えるでしょう。

Tanatsugu
この事業会社の課題を解決するにはどういったスタートアップが良いか。その逆に、このスタートアップをグロースさせるにはどういった事業会社が良いか。最適なマッチングを実現するためには、自分自身の仕事への理解はもちろんですが、各企業の事業についての理解も高めていく必要があり、常に学ぶ姿勢が求められますね。

Hieda
仕事内容だけを見れば、コンサルに近い部分もあり、文系のイメージを持たれるかもしれませんが、決してそんなことはありません。むしろ技術系のスタートアップが増えている現状ですから、理系出身の方であればその知識や経験を活かせる機会も多いのではないでしょうか。

Tanatsugu
私自身、前職は機械系の商社にいたため、工業分野における新技術については、他の人よりも理解が早い自信があります。こうした知識を社内にアウトプットすることもできるので、積極的に学び、そしてそれを還元してくれる方々と一緒に働きたいですね。